安息香酸とビタミンCでベンゼンができるんですか?
加工食品で保存料としてつかわれる安息香酸とビタミンCからベンゼンが発生するんでしょうか、なんらかの化学変化をおこしてベンゼンができるんですか?
余程強力な条件にしないとその種の反応は起きません。
随分前にコカコーラなどの飲料製品に対し、微量のベンゼンが検出された際に『ある種の』団体がそのようなことを
主張しましたがアメリカの検査機関が実験を行った結果、通常の条件(日常的な保管や工場での製造条件)
ではおこらないことが確認されています。検出されたベンゼンは原材料、生産設備の汚染そしてもっとも疑わしいのが
梱包容器由来(プラスチックボトルや印刷インク等)が原因と考えられています。
安息香酸に還元剤を作用させた場合に起こる反応は
まずアルデヒド体に還元され、続いて、フェノールまで還元されるという反応です。これ自体極めて強い条件でないと
起こらない反応でビタミンCを添加しただけでは発生しません(しかも飲料として使う濃度レベルでは起こり得ない)。
フェノールからベンゼンにまで持っていく反応はきわめて困難です。有機合成上、ベンゼン環から水酸基を取りたいと
思うことがしばしばありますが、それは容易ではありません。
また脱炭酸反応という化合物から炭酸が取れる反応がありますが、この反応は重金属触媒などが必要であったり
もともとの化合物の構造が限定されたりしているため安息香酸とアスコルビンだけの酸の組み合わせでは起こらないと
思われます。
安息香酸はベンゼンにカルボキシル基が付いているだけだから、ビタミンCの還元作用で生成されてもおかしくないでしょう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E6%81%AF%E9%A6%99%E9%85%B8
http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/3f/benzene.html
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